やさしい義眼のつくりかた How to make artificial eye and prosthesis

顎顔面補綴という仕事を通じて身につけた義眼やエピテーゼの製作技術やその背景をご紹介。 あまり広く認知されていない技術ですが、どこかで誰かの役に立てればいいですね。 フィギュアなどの趣味にも生かせるように、なるべく特殊な材料や 道具を使わない方法も お伝えできればと思います。 How to make artificial eye and prosthesis.

How to make artificial eye and prosthesis.

頭蓋骨

夕日を見ながら・・・

今日は土曜日でラボの仕事は休み・・・といってもラボ自体は営業しているのでメールやら電話やらくるんですけど・・・

なぜか今日は気分がイライラしてしまうことが多くて、せっかくの休みなのに・・・

久しぶりに紙の本を読んだりしてみましたが、本の内容があまりよろしくなかったかな。

最近デジタルとか3D関係の仕事が増えてしまって、というかむしろそっち方面が望んでいる方向なんですけどね。

外科の先生からの依頼で頭蓋骨の3Dプリントが何個かあります。
プリントに時間がかかるのでこの土日で片付けよう。

プリントが終わったものからサポーターというものを外さないといけないのですが、意外にこういう単純作業の方が夢中になれて気晴らしになることがありますよね。

我が家の特設ベランダラボに座って、マニラ湾に沈みゆく夕日を眺めながらサポート外ししました。
 
IMG_0084

そう書けばなんかのどかな雰囲気なのですが、実際にはこれらのプリントされた頭蓋骨は何かしらの問題があってCTスキャン撮られた子供の頭蓋骨なんです。

実際プリントされた頭蓋骨を見ると正常ではないところは一目瞭然だったり、なんでこの子は管が刺さってるんだろうとか、どうしてここまで骨が変形してるんだろうとか、いろいろ考えてしまいます。

もう一個は下顎の骨にできた腫瘍を切除するのに、下顎骨のほぼ半分がなくなった症例とか。

CTのデータからプリント可能なデータに変換するわけですが、軟組織の部分も見ようと思えば見れます。

顔貌の変形まで見えてしまうので、これもまた考え込んでしまいますね。
私が考え込んでもしょうがないんですけど・・・

IMG_0089
 
茶色の部分が切除された部分に置き換える人工の骨になります。
多分純チタンで3Dプリントすることになると思うのですが、いろいろと課題もあります。

切除されてしばらく経つため骨も偏移してるし、ここをどこまで人工骨で矯正できるのか。

歯の部分はどうしようとか、表面の性状とか肉抜きとか勉強することばかりですね。

IMG_0095

そういえば前にエピテーゼの先生がいわれていましたが、以前は手術に立ち会ってその場で調整したりしたもんだよ、と。

今はCTの性能も良くなったし、3Dというのかデジタルというのか、そういうもので事前にシュミレーションとかデザインできるようになったのでだいぶ恵まれてますね。

その分要求も高くなるんですけどね。


 

3Dプリンター ちょっと続き

いま頭蓋骨を2個プリントしています。

プリントが終わってしまうと見えなくなる頭蓋骨の中が途中経過で見えています。
こういうのはなんか不思議な感じになりますね。

実際に生きているひとの頭蓋骨の中身が見えるのって・・・
下顎なんかもきちんと歯根の部分もプリントされているのが見えます。


IMG_4554

プリンターの全体像はこんな感じ。


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おじさんの頭蓋骨

ちょっと今週は歯科の仕事が忙しくて、一週間が飛ぶように過ぎていってます。

エピテーゼネタが無いので、またおじさんシリーズに追加です。


IMG_0857

写真だけじゃなにかわかりませんが、3Dプリンターのヘッド部分です。

ちょっと実験的に例のおじさんの頭蓋骨をプリントしてみました。

熱積層タイプのプリンターなので、再現性はあまり期待していませんでした。

しかもプリント時間と材料の節約のため、ミニチュアサイズにしています。


IMG_0861

プリント時間約5時間のすえ出来上がり。
一応レイヤー層の厚み0.2mmのクオリティー少し重視。

もっと高精細を選べるようなのですが、プリント時間が長くなるので無難なところで・・・


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この鼻腔とか郊外のところ複雑な部分もかなーりよく再現されてます。
ちょっと予想外でした。


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中もちゃんと中空になってるし、熱積層タイプも結構いけますね。




3Dデザイン 上顎

Image 26-03-2019 at 00.31

下顎のプリント成功に気を良くして、今のうちにと上顎もデザインしました。

後から追加するのは面倒なので上下顎とも親知らずまでいれています。

一応は上下が咬むように歯の位置を微調整しながら作っていきましたが、この辺に結構時間を取られました。

Image 26-03-2019 at 00.34

デザインは頭蓋骨まですべて含んでいるのですが、さすがにそのままではプリントエリアに入りきりません。

とりあえずミニチュアにして一旦プリントしてみています。

結果が良ければ部位ごとにプリントして組み立てかな?

CT スキャンから3Dプリント2

ときどき英語のページを混ぜますが、外国からの問い合わせが多いため、そういう記事は英語でもページを作っておくことにしました。

書いていることはほとんど変わりません。

IMG_1356

これはCTスキャンのデータから3Dプリントしたものです。

朝の日光浴も済ん打状態です。

いままではずーとCTスキャンのノイズを消すのにかなりの時間を取られていました。

インスタなどでほかの外科医などの症例を見ると、データ自体がものすごくきれい。

インスタを通じてきいてみたところ「マシンと設定だ」といわれました。

・・・で今回もらったデータは別のところからで、いままでのように歯科用のCTスキャンではなく医療用のもののようです。

データをコンバートしてみたらほとんどノイズもなく、いままでの苦労は何だったのか状態。

もちろんプリントアウトしたものもきれいです。

左耳付近の頭蓋骨のプリントですが、プリントしてみてあらためてこういうところに空間があるのか、とか気付かされました。

もちろんCTスキャンのデータからもそういうところは読めるのですが、実際にプリントされたものを手に取るとワタシにとっては実感がわきやすいです。

しかし、生きながらに頭蓋骨の中身までかんさつでき、レプリカも作れるというのはすごいですよね。



顔面補綴マニュアル  やさしい義眼の作り方 How to make artificial eye
How to make Ear Prosthesis 英語版
エピテーゼのつくりかた 耳
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村井 さむ

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日本でのプレッシャーを逃れフィリピンに移住してはや10年、まだ生きてます。やさしい義眼の作り方

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