やさしい義眼のつくりかた How to make artificial eye and prosthesis

顎顔面補綴という仕事を通じて身につけた義眼やエピテーゼの製作技術やその背景をご紹介。 あまり広く認知されていない技術ですが、どこかで誰かの役に立てればいいですね。 フィギュアなどの趣味にも生かせるように、なるべく特殊な材料や 道具を使わない方法も お伝えできればと思います。 How to make artificial eye and prosthesis.

How to make artificial eye and prosthesis.

セミナー

義眼のセミナー

 昨日土曜日は定例のセミナーで、今回から義眼を始めています。
事前に使うパーツ、クリアボタンとブラックディスクは、新しい金型のテストも兼ねて作りました。

金型はほぼ期待通りの働きをしてくれるのですが、あとは耐久性とかちょっと材料が銅なのでもう少し様子見ですね。

できればステンレスで作りたかったのですが、CNCで削り出してくれるところはステンレスの選択肢がなかったんです。

レジンを重合して金型を開くときなんかにちょっと力が必要なところもあって、こじる時にどれくらい傷がつくのかとか、クランプで挟んだ時の変形があるのかとか気になります。

あと、表面の酸化はどんな感じになるのか・・・などなど

 インスタとかに写真を載せたらかなり反響があって、欲しいと言われるんですが今のところ試作品だからとお断りしてます。

 まぁ、問い合わせくるのがほとんど外国なので、色々と面倒なのがいちばんの理由なんですけどね。

前に書いたように、データだけダウンロードしてもらって自分でCNCとかの外注に出してくれればいちばんいいのですが、CNCの仕上げの指示とか、削り出された後若干人間の手を入れないところがあったりします。

 自分が欲しいもの、必要なものをいわば自己満足で作っているだけなので、余計な心配や手間はもはやかけたくない・・・ってのが正直なところ。


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 これはセミナーでの生徒さんの虹彩。
アジア系の黒い瞳じゃあまり面白くないので、それはそれで用意しつつ、最初は好きな色で交際を描いてもらうことにしています。


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次回はいよいよ新しいフラスコの出番か・・・


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歴代のフラスコを並べてみました。

新しいフラスコも少しだけデータをいじり直して、また3Dプリントを頼んでいます。


Screenshot 2024-03-24 092610

我が社のロゴを入れました。
一旦ロゴは出っ張る形でデザインしたのですが、小枝?の部分が細すぎるので不鮮明になるかもしれない、とのお返事。

ロゴは引っ込む形にして再アップロード。


Screenshot 2024-03-24 092534

あと、細かい仕様変更ですが、重合後にこじ開けやすいようにスリットを追加。
さらにごくごく細かいとこなんですが、できるだけ角は面取りしました。

角があると石膏が残ったりするので、なるべく汚れにくくきれいにしやすい形にしました。

ただいまデータの審査中です。
審査が通ればそのままプリントしてもらいます。 たのしみ〜♪

いまさらながら・・・

 もう2月も半ばを過ぎてしまいましたが、いまさらながら2023年に買って良かったものを残しておきます。

 出張セミナー的な出先で作業することが多くなってきたのですが、道具とか忘れるのは怖いんですよね。

 対価をいただいてやってることがほとんどなので、あれ忘れたんでできないわ、というのは通用しませんので。

 そうすると余分なものも持って行きがちで荷物が大きく重くなりがち。

そういうこともあって揃えていく道具はなるべく軽くコンパクト、電気が必要なものは100Vから240Vまでコンバーターなしで使えること、というのが一つの目安になっています。

 昨日はそんな出張セミナーで鼻のエピテーゼコースでした。


FullSizeRender

 ワックスパターンの石膏埋没からシリコン填入までの予定でしたので、写真の4点がメインの道具でした。

 鍋はアウトドア用の取っ手が折りたためるやつで、嫁さんが長く家でご飯炊くのに使っていました。

内側のコーティングが剥がれてきたので。その向きの仕様ができなくなり炊飯からは引退。

わたしが引き取って石膏型を煮てワックスを洗い流す時に使っています。

 バーナーもキャンプ用?ですがカセットボンベを使うタイプのもの。

これ以前にもアウトドア用のバーナーを使っていました。

今のところはこのバーナーがベストかな?

アウトドア用にしては若干重いのですが、鍋の安定と下のテーブルが熱くならないので良き。

 その下の黒いのが充電式のマイクロモーターです。

普段は歯科技工用のものを使っているので、トルクや高回転域は物足りませんが、携帯性では今のところこれが気に入ってます。

 バッテリーパックの充電はUSB-Cでできますので、どこでも充電できます。
いざとなればスマホのバッテリーパックとしても使えるんじゃなかったかな?

飛行機に乗ってあちこち持って行ったりもしましたが、値段の割に当たりだったのか今のところ故障する気配もなし。

 一番下の銀色のやつはワックスペンです。
確か日本製だったはず。

電源が昔の携帯電話とか充電するようなやつ、オートボルトなのでこれもどこでも使えます。

先っちょが熱くなってワックス作業に使います。

アルコールランプとかだと別に燃料を持って行ったりとか、詰め替えが面倒だったりするので、電源刺してスイッチ入れるだけのこれはものすごく気楽に使えます。

先っちょがもう一本あればさらに便利なのですが、このコンパクトさなのでそこまでは贅沢ですよね。
なんならもう一個買えよってレベルでしょうか。

 まだまだこういったコンパクトさを追求して揃えた道具があるのですが、今のところこの4点が必須アイテムですね。

Amazonのリンク載せときます

UNIFLAME(ユニフレーム) ごはんクッカープラス No.667613
[ソト (SOTO)] 日本製 シングルバーナー 超薄型 (厚さ2.5cm) 収納ケース付 ソロ キャンプ ツーリング Gストーブ ST-RAYWOOD DULO MR-01 充電式ミニルーター セット 充電式 usb type-c ビット 樹脂用カッター ジルコニアビット2種付き ビットセット付き (スチールグレーシーフォース ワックスペンZ1 511500

セミナー

 そんなひと様にえらそうに教えるほどのものは持っていないし・・・

とずっとおもっていて、いろんなところからの引き合いもなるべくお断りしてきていました。

とは言いながらも、いつの間にか自分自身棺桶に片足突っ込んでるような齢となっていることに気づき・・・


思い起こせばフィリピンに来た当初、日本の諸先輩方も時々応援に来てくれていました。

まぁ・・目的は他にもあったのだろうけど・・・

 「むらいくん、そのうちラボ立ち上げて上手く回り出したら、あとは後進に任せてわれわれはボートでも買ってさ、アイランドホッピングなんかして余生は楽しもうよ」

と良くいわれたっけ・・・

 今日はやたら・・・・が多い文章ですよね。つい遠い目になってしまうこの頃で。


 そんなアイランドホッピングを夢見て、結構がむしゃらに目の前のことにぶつかってきたこの18年。

そうやった、今月フィリピン上陸18周年の記念日でした。

 一緒にアイランドホッピングする予定だった諸先輩方は、みなさん健康上の問題なんかでもうフィリピンに来ることも無くなって久しい。

かくいう自分も気力体力の限界を、ついすぐそこに感じるようになってます。

今のうちに誰かの役に立つのなら、知ってることはなるべく伝えていこうかと、セミナー的なことも条件が合えば受けることにしています。

したらけっこういろんなところから受けにこられるようになり、わざわざ外国からこられる方もちらほら。

渡航費とか宿泊費、もちろんセミナー代もいただいているので結構な出費のはずですが、まぁ、ありがたいことでもあるし、それだけ情報が不足しているということもあるんでしょうね。

 フィリピン国内でもさる企業の案件として毎月セミナー的なことをやっています。

そこのスタッフの方たちをトレーニングするという形なのですが、わざわざ外国から結構な負担をともないながらもこられる方たちにくらべると恵まれてますよね。

会社の負担でしかも給料はもらいながら技術を身につけることができる・・・

身につくのかどうかはこればっかりは本人次第だからなんともいえんけど。

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そんなセミナーの中の一コマです。

鼻の型どりをやっているところ。

当人たちには目新しさもあったり、時にキャーキャーいいながら和気藹々とやっています。

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まぁ、いずれどこかでどういう形にせよなんかの役に立つのかもしれないですね。

 前回だったか?指のエピテーゼの新しい思いつきとか書いた気がするんですが、そういう部分は相手が積極的に学ぼうという状況でないと、こちらもわざわざは教えないんですよね・・・・

ほかのエピテーゼでもいろいろとアイデアがあるんですが、多分こういうものも埋もれていく運命か。

 究極的に理想なのは近頃一部で熱い話題のメドベッドみたいなもので、根本的に欠損や変形が回復できてエピテーゼとか必要なくなるのがいいんですけどね。

 インスタとかにやっていることの写真を載せると、それなりにいろんな好意的反応をいただくのですが、やはり神の創造物にはかなうわけもなく・・・というなんかぐだぐだとした話を梅酒ロックを飲みながら今日は書いてみました。


乱筆乱文は平にご容赦!



セブ再訪

 一度アップロードしたつもりでしたが、最近ライブドアのアクセスが怪しくて反映されてませんでした。

  先週セブのある総合病院に、医局会でのエピテーゼの紹介に来いという依頼で行ってきました。
そのまえに半年ほどセミナーやったところへ顔出し。


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その後練習を兼ねてサンプルをたくさん作ったようで、どれも色がきれいな自然感のある色に仕上がってました。

やっぱり数こなさないとどうにもならない部分はありますね。

材料も補充分を結構持っていきました。
行きのスーツケースは18kgほどでしたが・・・


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帰りは5kgちょい。ほぼスーツケースの重さやん。


IHクッカー

 もうダバオの話はこのあたりで終わりにしよう・・・・

今回は自分の備忘録です。

 セミナー期間中はコンドミニアムに住まわせてもらってました。
短期間借りられるようになったとこらしく、ホテルと違って一通りの調理器具とか洗濯機もそろっていたので快適でした。

  ただ、ガスコンロじゃなくて多分IHクッカーというのかな?それがあるだけ。

いいままであまりなじみがなかったので、磁石につかない鍋釜は使えないというくらいの認識しかありませんでした。

 自分用の小さな調理道具というかコップに毛が生えたようなものは持って行っていたのですが、アルミとチタン製。

試しにアルミの鍋でお湯を沸かそうと試みるもやはりヒーターは反応してくれませんでした。


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 インスタントの味噌汁をどうしても作りたかったので、非常用に持ってきていた固形燃料でお湯を沸かしました。

この固形燃料は飛行機の預け入れ荷物に大丈夫なものなので、なかなかこういう時には便利ですね。

 ・・・でも
五徳がどこかに紛れて出てこない・・・ので、お湯が沸くまでじっと鍋を持っとかないといけない間抜けさ。

味噌汁を無事食した後、食後のコーヒーにダメもとでもう一個のチタン製のカップをIHクッカーに乗せてみたら、なんとお湯が沸きました。


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以降はこのチタンカップが大活躍してくれました。


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写真はセミナー会場で時々作って飲んでたローカルのインスタントコーヒー。
GINSENGってたしか朝鮮人参のことだったはず・・・
変な味がするでもなく意外においしいコーヒーでした。

こういうのがあとから恋しくなったりするんですよね。旅の思い出ってやつか。
顔面補綴マニュアル  やさしい義眼の作り方 How to make artificial eye
How to make Ear Prosthesis 英語版
エピテーゼのつくりかた 耳
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村井 さむ

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日本でのプレッシャーを逃れフィリピンに移住してはや10年、まだ生きてます。やさしい義眼の作り方

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