やさしい義眼のつくりかた How to make artificial eye and prosthesis

顎顔面補綴という仕事を通じて身につけた義眼やエピテーゼの製作技術やその背景をご紹介。 あまり広く認知されていない技術ですが、どこかで誰かの役に立てればいいですね。 フィギュアなどの趣味にも生かせるように、なるべく特殊な材料や 道具を使わない方法も お伝えできればと思います。 How to make artificial eye and prosthesis.

How to make artificial eye and prosthesis.

2020年04月

新たな気付き・・

例の指のプロジェクトで比較のためにもう一個同じものを作っています。
こちらはステインしないで置いてあるのですが、試しに無理やり自分の親指につけてみました。


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もともとが自分のにだりの親指から型を起こしたものなので、サイズはもちろん一緒のはず。

キーチェーンにするつもりで作ったのでシリコンの厚みも通常の厚さより厚い。
辺縁もほぼそのままの厚さで1.5mm はある。

当然通常の指の上につけると大きく不格好になるだろうと思っていたのですが、意外と・・・・


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なんか、ほとんど大きさは気にならない。
もちろん中の指はシリコンによる締め付けを感じるんですが、結構が悪くなるような感じでもないし。

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辺縁の厚さも色がある程度あっていれば気にならないんじゃなかろうかと思い始めてます。


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こういうセミオーダーで、ある程度コストを抑えたエピテーゼもありなような気がしてきてます。

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キーチェーン用のパーツももう一個用意してるんですが、しばらくこのままにしておこう。

Skin tone and Staining

指のプロジェクトつながりですが、Youtube に動画を上げています。

あたらしいキットを使った基礎色のとりかたからステインまでがおもな内容です。

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指のエピテーゼは爪を通常アクリルで作りますが、今回は極力シンプルに作る方法として全てシリコンで作っています。

動画の中では部位に応じて基礎色をキャラクタライズする場面も出てきますが、今回のテストピースは基礎色キットで選んだ色1色だけで作ってみました。

基礎色は明るく作っておいて後でステインで色を乗せていく方法が楽なのですが、それだと使っていて表面の色がハゲてきたときや褪色したときに悲しい状態になります。

特に指のエピテーゼは過酷な条件にさらされるわけですから、なるべく長く気持ちよく使っていただくための私のこだわりです。

時々自分で自分の首を締めているような感じなんですけどね。



色合わせと耐久テスト

先日の指のプロジェクトとあわせて、ついでにビデオを作っています。

たぶん今日中にはYoutubeにアップできるかな?

新しく作った基礎色セットとステインセットを使ったシリコンエピテーゼのいろあわせが内容です。

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右側がステインして完成させたシリコンの指。
真ん中はステインする前の状態です。

いちばん左はターゲットの指で私の親指です。

通常指のエピテーゼは爪をアクリルで作るのですが、今回は全てシリコンです。
基礎色も一色で部分的に色は変えない状態でシリコンを詰めています。

なるべく簡潔な手技でどこまで作れるかというのも試してみたかったんです。

爪の部分はやはりシリコンから少し色を変えた方が結果はいいですね。

あと指の腹側は意外と赤みが強いので、ここもシリコン詰める段階で色を変えたいところ・・・

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基礎色の段階でかなり色があっているので、仮に指のエピテーゼとして使ってもらった場合、色落ちしてもあまり目立たないはず。

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その耐久テストも兼ねて自宅と車の鍵につけて持って歩いてこんなこともしています。

あとは光源の違いで色味がどう変わってくるか・・・

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野外の日陰

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スーパーの中

出来上がったエピテーゼで見れば、ほかのところのエピテーゼと大差ないのだと思いますが、特に指は使用状況が過酷なので長く使ってもらえることをいろいろ考えています。

地味な努力ですが、しばらく使われると違いが出てくるはず。

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基礎色セットで色合わせしているところです。
動画から切り出したので変なものも写ってますね。

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指のプロジェクト つづき・・・

今回はくだらない内容ですのであらかじめお知らせしておきますね。

いろいろとためしたい事があって指を作ってみました。
指でなくてもよかったのですが、とりあえず指で・・

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指のキーチェーン?みたいなものです。


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3Dプリンタで接続する部分は作っています。


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親指として作っているので、ほかの指にスポッとはめる事ができる大きさですね。
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新型なんとやらの影響で、うちの嫁さんは公共のエレベーターのボタンとか素手で押したがりません。

こういうのがあったら面白くなかろうか?というのと、エピテーゼの耐久テストにいいかも知れないなと作ってみました。

まあ、いちばんの目的は最近3Dデザインで作った基礎色のセットで、どれくらい色合わせが楽になるか。

これは近々Youtubeに動画で上げる予定です。


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ステインの方もちゃんと新しいキットを使いました。
ただ基礎色の段階で非常にうまくいっているので、最終の外部ステインはごくわずかです。

でも、爪の部分はやはり基礎色変えた方がいいですね。
通常のエピテーゼでは爪の部分はアクリルで作るのでそれは大丈夫なんですが、やはり指のエピテーゼは耐用年数が短いような気がしてるので、シリコンのみで作ってある程度消耗品と考えた方がいいのか・・・

でも爪を伸ばす人やマニキュアをする方はやはりアクリルの爪にすべきですね。

とりあえずすば楽このキーチェーンは持ち歩いて、耐久性をみてみようと思います。

指のプロジェクト

たまにはエピテーゼ関係の話でも、と思いながらしばらく3Dデザインにハマっていたのと、何により今は患者さんの受け入れができない状態です。

ちょっとある思いつきを形にしてみようと、今日は久しぶりにシリコンを触っています。


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写真の赤いのはまだワックスですが、指ですね。

指のワックスアップは表面性状がかなり細かいので、その状態を作り上げつつ潰れてしまわないように維持するのに結構気を使います。


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手に持っているのは本来回転工具の先につけて研磨に使うブラシです。
歯科技工士さんが使う道具ですね。

このブラシはいろいろ種類があるのですが、写真のものは結構硬く皮膚の表面性状をつけるのに結構やりやすいです。

歯ブラシだと毛先が柔らかすぎなので・・・


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まだこのプロジェクトは進行形ですので、また形になりましたらお見せできるかも。


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また、例によって3Dデザインとプリントの話を少しだけ。

写真右は歯科医院によばれたときに持っていく研磨道具のセット。
入れ歯の調整からインプラントクラウンなどの調整に使う自分なりに厳選したセットですね。

これをずっと温めていたデザインでようやく作ってみる事ができました。

それが写真左です。

道具を挿す穴を3列にしてたくさん開けたので、立体的にもっと収納できるかなと。
さらに挿した部分が90度回転して上向きになるので、道具を選びやすくなるだろう、という目論見でした。


・・・でした、というのは、期待ほどでもなかったから・・・?

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今までのキットの内容物を移動させてみましたが、逆に全部入りきらない。
しかも密集し過ぎていて取り出しにくそうな気もする・・


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土台は例のミント缶に接着してしまいます。
本体を90度寝かせて収納状態にしたところです。

蓋の部分に入りきらなかった道具たちが・・・

たぶん工夫すれば入らないこともないのですが、黄色のバフはやはり場所を取り過ぎます。

そのほかのはシャフトの部分がほかのものより少し長くて、土台に挿すと引っかかって収納状態にできなくなります。

シャフトの部分を切って少し短くしてもいいのですが、意外に収納数が増えなかったことと取り出しにくそうなんでもうちょっと考えてからにします。


ではでは
顔面補綴マニュアル  やさしい義眼の作り方 How to make artificial eye
How to make Ear Prosthesis 英語版
エピテーゼのつくりかた 耳
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村井 さむ

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日本でのプレッシャーを逃れフィリピンに移住してはや10年、まだ生きてます。やさしい義眼の作り方

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