やさしい義眼のつくりかた How to make artificial eye and prosthesis

顎顔面補綴という仕事を通じて身につけた義眼やエピテーゼの製作技術やその背景をご紹介。 あまり広く認知されていない技術ですが、どこかで誰かの役に立てればいいですね。 フィギュアなどの趣味にも生かせるように、なるべく特殊な材料や 道具を使わない方法も お伝えできればと思います。 How to make artificial eye and prosthesis.

How to make artificial eye and prosthesis.

2019年04月

指のエピテーゼ ステインとコーティング

自分では日々の作業で新鮮味がないのですが、インスタグラムなんかに写真やビデオをアップすると意外に反響があったりで、ときどきはちょっと長めに編集してYoutubeにもアップしています。

ちなみにインスタグラムのアカウントは@muraisam22、Youtubeは@sakura222pmsでお探しいただけるかと思います。

先日は耳のエピテーゼのワックスアップを載せたのですが、やってる当人には粘土遊びの延長ですが意外と好評価でしたので、図に乗って今日は指のエピテーゼのステインをアップしました。

実際は臨床例の指のエピテーゼではなく、今回は試したみたいアイデアや材料がありましたので、自分の指をモデルにしています。

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New Waxing tools

粘土細工用のツールを買ってみました。

これです


TIMESETL 粘土 陶芸 道具 19点セット 細工棒 ヘラ シリコン筆 粘土彫刻ツール 粘土細工

結構な種類のツールが入っています。使わなさそうなのが多いのですが値段が安かったので・・・

耳の症例があるのでそのワックスアップに一部使いました。


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この2本が有用。
耳上部の辺縁のくるっと巻き込まれた部分。
この内側をならすのに便利です。

この内側の部分は石膏に埋没してワックスを取り除くと出っ張りとなるところで、ワックスをお湯で流してしまうまで形状がわからないところでもあります。


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気泡が入っていますが、ちょうどこのヘリの部分にあたります。
ここがいつも鋭くなって欠けやすかったり、ガタガタしているのでステインのノリがムラになったりしていましたが、結構改善されています。


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この丸い玉の部分にワセリンをつけてスリスリしますが、この中間のサイズがあれば完璧なのに・・・

テスト test てすと

色々エピテーゼの問い合わせが外国からも増えてきたり、材料なんかもテストの依頼がきたりでなかなか楽しい日々かもです。

指と耳のエピテーゼで思うところがあって・・・ちょうどタイミングよくその向きの問い合わせがあったりで、指のエピテーゼをいつもとは違う方法で作ってみました。

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結果がすぐに見れるように自分の指を実験台に。


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こちらは新しいシリコンのテスト。

テスト依頼があって送ってもらった中に、これは固すぎて使えないかな?というのがありましたが、意外なところで結びついて今回の指に使ってみたら好結果。

またおいおいとアップしていきます。


シリコンの基礎色

耳つづきで義眼はどうなったといわれそうですが、なぜか耳の症例が多いのでその分経験値の蓄積が増えています。

私も以前はそうでしたが、主に日本の技術者の方のエピテーゼを見ると基礎色がだいぶ明るいですよね。

白い画用紙の方がいろんな色はのせやすいので、私もそうしていましたし、技術を学んだ時もそのように習いました。

ただこの仕事をずっとやってくると、患者さんとの付き合いも長くなってきます。
ほとんどライフタイムではなかろうかというくらい、最初にエピテーゼを作った時から今現在まで、ほとんどの関係が続いております。

当然自分が作ったエピテーゼもずーと経過をみていくことになるわけで、そうすると作った時のその場しのぎだけではいけない部分を突きつけられてしまいます。

具体的には柔らかいシリコンは肌になじみもよく、感触もいいのですが耐久性に問題ありとか、一番大きいのは色の問題です。

作った時はステインして色もあっているのですが、しばらくして退色したりスレた部分が落ちてくると、どんなに形をよく作っても不自然です。

エピテーゼ辺縁などは皮脂の影響をもろに受けるため、この辺りの脱色もはやい。

手足指などのエピテーゼだとさらに過酷な状況にさらされるわけで、やはりその場しのぎが通用しないところです。


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この耳たちはシリコンの重合が終わって型から外した状態です。
画用紙に皮膚の色を水彩絵の具でとった時の色がありますが、意外とこれだけ見るとこんなに濃かったっけ?と思ってしまいます。


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バリを切り取っているところですが、白バックで見るとやはりこの濃さが不安になることもあります。

この後患者さんを前にしてステインで最終の色合わせをしていくのですが、基礎色が濃すぎたら後戻りができないためヒヤヒヤです。

作業をみている嫁さんに「茶色すぎない?そんなに色黒かったっけ?」といわれたりするとさらに不安に・・・


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自分の手のひらに乗せてみると実はそれほど濃くはなかったりするのですが、「やっぱりもっと明るい色にしておいた方が無難かな・・・」と揺れ動く時でもあります。


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この耳を作るために調色したシリコンです。

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シリコンに色素を混ぜながら不安になる第一段階ですが、スマホのアプリでカラーピックしたりしながら確認します。

通常重合が終わったシリコンは、なぜか練った時より若干明るくなってしまいます。

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最終的に2個ステイン仕上げを終わった状態の裏表。
裏側は基礎色そのままの色ですので、おもてとの差が少ないほど基礎色が追い込まれているということになります。

フィリピンという土地柄、やはり皮膚の色も濃い人が多いのですが、この濃さを外部ステインだけに頼るとムラができて汚くなってしまいます。

やはり内部からの発色に勝るものはないような気がしてます。

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3D scanning

So far my big concern of doing prosthesis work is how to achieve natural anatomy of the orbital prosthesis.

Example, orbital case.
I take the impression of both sides of the orbital.
However, it's almost impossible to take an impression with natural eye opening.

But I have to copy of the natural side opening eye.

I've been trying 3D scanning for this matter.

Here's some of my achievement recently.

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It's scanned with eye-opening.

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From the different face ( actuary it's my son's face)

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Even it's a miniature size, but my iPhone's portrait mode can recognize as a human face.

顔面補綴マニュアル  やさしい義眼の作り方 How to make artificial eye
How to make Ear Prosthesis 英語版
エピテーゼのつくりかた 耳
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村井 さむ

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日本でのプレッシャーを逃れフィリピンに移住してはや10年、まだ生きてます。やさしい義眼の作り方

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