やさしい義眼のつくりかた How to make artificial eye and prosthesis

顎顔面補綴という仕事を通じて身につけた義眼やエピテーゼの製作技術やその背景をご紹介。 あまり広く認知されていない技術ですが、どこかで誰かの役に立てればいいですね。 フィギュアなどの趣味にも生かせるように、なるべく特殊な材料や 道具を使わない方法も お伝えできればと思います。 How to make artificial eye and prosthesis.

How to make artificial eye and prosthesis.

2015年08月

マニュアルの製作 再開

しばらく更新も滞っていましたが、いろいろと納期に追われる仕事を片付けるのでばたばたでした。

ずっとバックオーダーを消化できていなかったものがようやく 終わってかなりほっとしています。

マニュアルの文章はすべて下書きが出来上がっているので、あとはそれに写真を撮ってはめ込んでいくだけです。
今日はいくつか写真を撮ってみたのでモニター上でどう見えるかも見るためいくつかご紹介します。

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例のお気に入りのフラスコです。
買うとかなり高くつくクリアボタンの原型からクリアボタンを作る工程です。

写真で見るとかなり大きく見えるような気が・・・
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実際にはフラスコふたつとクランプを入れても手のひらサイズです。

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このアウトドアショップで買ったナベつかみが予想外によくて、写真のアルミのなべをつかむのにも使えるほか、写真のようにフラスコクランプもきっちりつかむことが出来ます。

真鍮製のフラスコとクランプのセットは、熱伝導がよくかなり熱くなりますのでこれは助かります。
ついでにクランプのねじを緩めるのもそのままらくらく。

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出来つつあるクリアボタンの大きさをノギスではかっています。
このノギスもプラスティック製のポケットサイズ。

義眼つくりは道具もミニサイズですみますし、いろんな燃料や材料も少しですみます。

今日はこのくらいで・・・

 

今日は鼻です

先日ニュースで腕に耳を移植した写真をみました。

詳細は忘れてしまったけれど、自分がいつもやっていることに似ています。

今日は鼻のエピテーゼをつくりました。
もう長いこと付き合いのある患者さんで、今回は調整も含め、新しいメディカルシリコンで新調した。

シリコンエピテーゼの辺縁部はなるべく薄くし、下地の肌の色を拾ってくれるように、色を合わせさらに不透明度も調整しなければならない。

ここのさじ加減が難しいので、いつも出来上がってみるまではドキドキ。

確認のため自分の肌につけて辺縁の溶け込み具合を確認するのだけれど、これがニュースの画像にそっくりだったので、私の場合は鼻を写真にとってみました。
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そういえば私にこの技術を教えてくれた先生はこういう写真を嫌っていたっけ。

最初は理由がわからなかったけれど、遊びものにしているようで嫌なんだそう。

今回は技術の紹介ということでご容赦!

この後表面に微妙な色付けをして完成。
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ステインに先立ち赤外線で乾燥させてます。
これをやるとステインのノリが良くなるのです。

色の道 まだまだ

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写真はシリコン用の色素でアメリカから以前取り寄せたものです。

それぞれ小さな容器に入っているのですが、シリコンのステイン時にはごく少量しか使いません。

全部の色を容器を含めて持って歩くのは面倒ですので、化粧品が入っていた容器に小分けして使っていました。

それが左の容器で小さな鏡が化粧品の名残ですね。

仕事する場所がいくつかあるのと、色合わせや色直しは出先でやる必要も時々あるため、こういう小分けしたものを持っていきます。

病院のベッドの上で色付けしたことも何度かありました。
最近は色の修行も少し慣れてきて、基本的に赤青黄色と白があればほとんどの色に対応可能になってきたため、アルトイズというミント缶の小さな方に改めて持ち歩き用のセットを作りました。

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皮膚の色を記録するための固形水彩絵具のセットと一緒に撮ってみました。

こちらも余った絵具を寄せ集めでミント缶にいれています。
肌の色だけならこのセットで十分。

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青い缶のものはそれなりに絵もかけるぐらいの色が揃っていますが、まだ絵を描くセンスはありませんので、その気にさせるための趣味のものです。

小さい丸い容器のものはシリコンの着色に使う色素で、肌色を出しつつ不透明さももたせます。

これはシリコンの会社から試作品のようなものを分けて頂いたものですが、アメリカから取り寄せていたものより使いやすいです。

ステイン用の色素もそうですが、普通の絵の具と同じか、色によってはちょっと固めぐらいです。

蓋を開けておいても固まらないのがちょっと不思議な感じ。
一部義眼にも使います。

これも一応顔面補綴の範疇?

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いわゆる総入れ歯、こちらの仕事はしょっちゅう見るためわすれがちですが、
これも立派な補綴物ですね。

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歯の部分は既製品から色形が最適なものを選んで使います。

歯肉の部分は加熱重合レジンと普段よんでいますが、
アクリル樹脂で義眼に使うものと同じ成分です。

実は義眼の基本的な作り方と共通するところが多いのです。

あまりやりたくない作業 2

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こちらは今までに作った中で2番目くらいに大きいサイズの眼窩エピテーゼ。
眼球はアクリル樹脂で義眼とまったく同じ工程で作られています。

若い患者さんでしたが、若い場合眉毛の量もやはり多いためそれだけ植毛に時間がかかります。

このときはもう一人の女性の技術者が植えてくれました。
私がやるとただ汚くなるばかりで、やはり気がせいている人間がやるべき部分じゃないような気がします。




顔面補綴マニュアル  やさしい義眼の作り方 How to make artificial eye
How to make Ear Prosthesis 英語版
エピテーゼのつくりかた 耳
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村井 さむ

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日本でのプレッシャーを逃れフィリピンに移住してはや10年、まだ生きてます。やさしい義眼の作り方

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